手塚治虫が言うように、結局「センス=時代感覚」なわけで、あ、この場合の<センス>とは「センスが良い」とかそういう場合のセンスね。
だから本気でセンスを磨きたいのであれば、それは「<今>がどんな時代か的確に掴む必要がある」わけです。
でもこれがなかなか難しい。常に自分を「時代の最先端が感じられる場所」に身を置かなきゃいけないし、最先端だけでなく「今の時代の平凡」もわかっておかなきゃいけない。んであくまでベースは今の時代の平凡で、ほんのちょっとだけ最先端寄りにズラす。明後日の方向にズラしちゃしょうがないし、ズラしすぎても、つまり尖りすぎても理解されづらくなってしまうわけです。
だからね、センスってのは良い悪いではなく「学び続けられるか」なんです。
どんな職種でも勉強は必要だけど、常に最新が入れ替わる職種はとくに大変で、中でもざっくり「世の中」をわかっておかなきゃいけない仕事はずーっと、その仕事を続ける限りは世間と断絶しちゃマズいわけです。
ウェブデザインならウェブデザインで、今の標準的なサイトデザインはこんな感じだな、みたいなことをわかった上で、さらに最先端のウェブデザインはこんなの、で、己の技量でやれるのはこういうデザイン、てのがわかっておかなきゃならないっーか。
今回、ルックを含めて「Yabunira」のビッグリニューアルを敢行したのですが、やっぱり「2020年代なかばっぽいウェブサイト」にしなきゃね、リニューアルする意味を感じてもらいづらい。
では「2020年代なかばっぽい」ってなんなんだってことになるんだけど、もちろん色遣いとかいろいろあるんだけど、ウチのようなテキストメインのサイトの場合、センス以前にクリアしておかなきゃいけないことがある。
やっぱとにかく「文章が読みやすい」ことが重要なんですよ。そこを外して「2020年代なかばっぽい」も何もない。
今回、とくにこだわったのは「目が痛くならない、目が疲れづらい」色味で、これはかなり試行錯誤しました。
バックグラウンドカラーと文字色の差分にこだわったし、初めて本文にウェブフォントを使ったし、行間や文字サイズ、リンクの分かりやすさもだいぶ考えた。
こうした「基礎の基礎」、つまりそれこそセンスとは関係ない、普遍的なユーザーエクスペリエンスをしっかりやんなきゃいけない。つかぶっちゃけ今までそうしたことにたいしてかなりおざなりでしたから、今回こそちゃんとやろうと。
読みやすい&直感でリンクをたどれる
当然これだけだと昔からあるテキストサイトっぽくなっちゃうんだけど、今っぽさを出すために今回カバー画像のフローティングにチャレンジしました。
って前のデザインの時からカバー画像とタイトルなんかは上部固定(スクロールしても流れない)にしてたんだけど、半透明とかいろいろ使って如何にも「上部に固着して浮いてます」って感じにした。
このためにCSSを大幅に書き直したんだけど、いやぁ大変だった。なかなか思い通りにならなくて本当に苦労した。ったくCSSってヤツは。
逆に、とうてい活用されてるとは言い難い、しかもちょっと時流から外れた感じになったハンバーガーメニューは廃止しました。
あのハンバーガーメニューのためだけにJavaScriptを使ってたんだけど、なんかもういいやと。たぶん誰も使ってないだろうし、なんか微妙にバグがあるし。
その代わり浮遊しているカバー画像をクリックしたらトップページに行くようにしたんで、たぶんこれで十分じゃないかね。
あとは
・自分でも結構うっとおしいなと思ってた、ズラズラっと並んだタグはページ最下部にだけ表示させるようにした。
・データベースは相変わらずほぼ空白だけど、関連するエントリのリンクを表示するようにした
・表面上は年別のScribbleのページを廃止して、すべてのエントリを年別に表示させるようにした
・ディレクトリ構造を大幅に変えた。古いリンクはすべて新しいリンクに自動ジャンプするようにした
・Yabuniraチャンネルのエントリにもタグを加えてエントリ扱いにした。ただしクリックしたら当該動画に自動ジャンプします
・ほんのちょっとだけカバー画像を追加した
今回とくにタグリンクを当該エントリの最後にだけ表示するようにしたのでスクロール量も減ったし、かなりユーザーフレンドリーになったと思います。
あと次のページへのリンクはナビゲーションしかなかったので、もっとストレートにっつーかわかりやすくもした。これもデザイン云々ではなくユーザーエクスペリエンスの問題です。
実際いろんなサイトを見て回って、たしかに凝ってるし、オシャレなんだけど、もうどこをクリックしたら目的のページにつながるのかさっぱりわからない、ユーザーエクスペリエンスの欠片もないサイトが結構あって、ああいうのだけは絶対止めようと思った。
結局アタシがAppleをリスペクトしてるのは、オシャレさをキープしながら絶対にユーザーエクスペリエンスを蔑ろにしないという姿勢があるからです。
前にファミスタの話を書いたけど、野球ゲームならまずやんなきゃいけないのは「自然に見えるボールの飛び方」なんですよ。これは物理計算をしたリアルなものである必要はない。とにかくユーザーが不自然と感じなければそれでいいし、いくら物理計算してても不自然な感じなら何の意味もない。
そうしたベースをしっかりやって、初めて次の段階がある。それは当たり前の話なんです。
今回のデザインは「ベースをちゃんと作る」のと「流行りに背を向けない」の両立を目指したし、まあまあ、これならいいんじゃないッスかね、くらいにはなったと思う。自画自賛だけど、ま、誰も褒めてくれないのでね、本当はどうでもいい駄文よりもそういうことを見て欲しいんだけど。一応仕事と関係あることだし。
