最近見た動画なんですけどね、いや最初、その動画を見た時「AI映像+AI音声?」と思ったくらいで、よくよく見るとちゃんと実写映像で出演者が喋ってるんだけど、何でこんな違和感があるんだと。
それは置いとくとして、なんかこの動画、見てたらめちゃくちゃ酔うんですよ。
っても手ブレが酷くて、とかじゃない。つか室内撮影、いやもう完全にアングル固定です。つまりブレの問題じゃないわけで。
じゃあ何なんだって言われたらわからない。以前、それこそYouTubeなんかまったくない1980年代、映像は夜景を映して音声はラジオ的なトーク番組をやったら視聴者から「酔う」という苦情が殺到したらしい、なんてことを書いたことがありますが、この動画にかんしてはそういうことでもない。商品説明のシーンは商品のアップだけど、トークパートは出演者が映っているわけでね、というか一般的なガジェットレビュー系と同じなわけで、他のガジェットレビュー系動画は酔わないのにこの動画だけは酔う、と。
つかね、<酔う>なんて話になると、それこそ手ブレをはじめとした映像に問題があると考えがちだけど、実は音声にも<酔う>要素があるんじゃないかって。
2025年末にGoogleが開発した音声生成AIの「GeminiSpeechGeneration」についてちょろっとだけ触れたのですが、こいつがまあ本当に良く出来てるんですよ。
何がすごいって、これ、関西弁でもイケるところで、ためしに「漫才めいたやりとり」の台本を作って、それをプロンプトとして投げたらこんなのが出てきた。
いやこれ、もっとちゃんと台本作って、さらにいろいろと詰めたらM-1グランプリの3回戦くらいまでは行けるんじゃないかと思ってしまいます。
前にも書いたように、現在のAIは「精密、厳密なことは大の苦手だけど、ざっくりした<正解のない>ことは得意」なんだけど、そういう意味で正解のない漫才なんか、実はAIにやらせるには向いてるんですよね。
つか2026年2月段階でAIに正しい答えを吐き出させようってのが無理な話でね。
それはともかく、このようにAIっつーかこの「GeminiSpeechGeneration」は本当にすごいという話なのですが、どうも、手放しで絶賛するほどかと言われると疑問符が付く。
と言っても「微妙にイントネーションが違う」とかはどうでもいいんです。それこそ逆に完璧なイントネーションの方が不自然さが出てくるわけで、それはそれで許せたりする。
そうじゃなくて、このAI音声、どうしても「一定時間聴いてたら気持ち悪くなってくる」んですよ。
もちろん先の漫才っぽいヤツくらい短ければ問題はない。しかし数分にも及ぶ量のテキストをGeminiSpeechGenerationに投げて音声を生成したら、なんか気持ち悪い。つかこの感じ、果てしなく「酔う」ってのに近いなと。
これね、不思議なのは、いわゆるゆっくり実況で使われる棒読みちゃんとか、ずんだもんとか四国めたんなんかのVOICEVOXは別に<酔う>みたいな感じはないんですよ。当然これらの音声が苦手な人はいるんだけど、でも<酔う>とかそういうことではない。
これね、問題なのは「アタシだけが感じること」なのか、それとも「誰が聴いても<酔う>感覚に襲われるのか」がはっきりしないんですよ。
そもそもアタシは乗り物酔いしやすい人間です。しっかりとはやったことはないから想像でしかないけど、たぶんVRゲームの類いも酔いやすいんだろうなって想像は付く。
ただこれは、ほぼ<映像>の問題です。しかしAI音声は<音>、つか<音>で酔うってあり得るのか。ま、それはあるか。そういうのを意図的に作ることは可能だし。
にしてもですよ、AI音声のどこに酔いやすい成分が含まれているのか、もうまったくわからない。不自然な<間>?とも思ったんだけど、それだったらゆっくり実況とかの方がはるかに不自然な<間>だし。
もしかしたら「不気味の谷」にスッポリとハマり込んでるって可能性もある。今さら不気味の谷の説明はしないのでWikipediaでも読んでいただきたいんだけど、このリンク先でも説明されてるのは<映像>っつーか<視覚>にかんしてだけで<音>への言及はないんですよね。
で、冒頭の話に戻ります。
もしかしたら冒頭で書いた動画が<酔う>原因は映像ではなく音声かもしれない。しかし、単純に「リップシンクがズレてる」とかって問題ではなく、映像無関係、純粋に音声にのみ何かしらの問題があるんじゃないかと。
だとしても、では冒頭の動画が何故GeminiSpeechGenerationを使った動画と似た違和感があるのか、何故同じような感じで酔うのか、こればっかりは専門家がちゃんと研究でもしない限りわからない。つかアタシみたいな素人がわかるわけがない。
本当、<酔う>ってのは奥が深いわ。いやさ、いまだに酔い止め薬が何で効くのかわかってないし。
もちろんプラシーボ云々で片付けるのは簡単なんだけど、VRの開発者なんかは専門の機関と連係して本気で研究しなきゃいけないと思うんですがね。
