ネットミームというかネット用語というか某巨大掲示板用語というか、のテンプレートの<返し>で「◯◯が好きな自分に酔ってるだけ」なんてのがあるわけですが。

◯◯に当てはまるのは、要するにソイツが存在価値を認めてないもので、Macでもスタバでもデ◯ズニーでもジャニーズでも何でもいい。とにかくこんなもんに人々が熱を上げる理由がわからない、冷静に考えると何も良くない。だったら何で?となった時に「あ、そうか。コイツらはそれが好きな自分に酔ってるだけなんだ」と自己合点するってことなんでしょうか。よくわからんけど。

でもね、アタシから言えば、これのどこが罵倒というかヘイトなのかわからないんですよ。
だって「◯◯が好きな自分に酔ってる」って最高じゃないですか。つかそんな趣味を見つけられたら間違いなくその人の人生は幸せです。んで当人が幸せなのであれば、どれだけ冷笑されても関係ない。それこそ「スタバ最高!(嘘だよ本当はスタバが好きな自分に酔ってるだけだよ)」だとしても、その人はスタバに行くだけで幸福感を得られるとなったら、正直羨ましいくらいです。

てな感じで書くと嫌味っぽいけど、嫌味でもなんでもない。だって結局「幸せ」なんてのは当人の中にしかないことだから。逆に言えば周りから見ればどれだけ悲惨に見える状況でも、当人が「この環境最高!」と思っているのであれば、仮に自分に酔ってるだけだとしてもぜんぜんオッケーなんですよね。

もしかしたら昔書いたことがあるかもしれないけど、重複覚悟でとある事例を書いていきます。
あれは1990年代、この頃になるとゲームセンターにUFOキャッチャーがあるのが当たり前になってた頃で、UFOキャッチャーの中も今と同じく、その大半はキャラクターの縫いぐるみでした。
つまり街中で大量の縫いぐるみを抱えている人を見たら、それは「UFOキャッチャーの戦利品」と言えた。つまり令和の今とそれほど変わっていない。

今もですが、ではその、戦利品をどうするか、これはわりと難しいんですよ。
一個や二個ならポイと部屋の中にほっぽってあっても邪魔じゃないし、猫を飼ってる家なら猫のオモチャにでもなる。
実際、当時アタシが飼ってた猫がUFOキャッチャーで取ってきたばいきんまんの縫いぐるみが大好きで、ずっとばいきんまんの縫いぐるみで遊んでた。
かと言って縫いぐるみなら何でもいいわけでもなく、他の縫いぐるみをUFOキャッチャーで取ってきても遊ばない。あいかわらずばいきんまん一択でした。

最近でこそあまり見かけませんが、1990年代頃まで、戦利品の縫いぐるみをクルマに飾る、というのはわりと当たり前のことでした。
もうリアガラスの向こうが見えないんじゃないかと思うくらい大量の縫いぐるみを置いてあるクルマとか珍しくなかった。
当時はアタシもまだ若かったので、最初はこういうクルマを見ては莫迦にしてた。なんだそのダッサい装飾は。よくもまあ、恥ずかしげもなく車内をキャラクターの縫いぐるみでいっぱいに出来るもんだ、と。

ある日、またしても前方に、大量の縫いぐるみで埋め尽くされたクルマがあった。その時アタシは大学の先輩と一緒だったんだけど

「何であんなことするンスかね?ダサいと思わないンスかね?」

と投げかけてみた。するとその先輩は

「いやでも、あれが本当の幸せじゃないか。他人さんから何て思われるかどうかなんか関係なく、ああやってやってる人こそ幸せなんだと思う」

それを聞いたアタシは脳天を撃ち抜かれた。
車線を変えた。んで縫いぐるみ大量のクルマと横並びになった。カップルだった。どう公平に見ても美男美女とは言えないカップルだった。
でもその時見えたふたりの笑顔は幸せそのものだった。縫いぐるみで車内を埋め尽くす、その行為がどれだけダサいかなんて心底どうでもいいほどの多幸感に溢れていた。

ダサいことはしたくない。その心理は齢50代後半になった今でもあります。しかし、たぶんこの時から「ダサい」の価値観が変わった。
結局ダサいだのなんだの、そうした表面的なことって実際は「幸せ」には太刀打ち出来ないんですよ。どれだけ他人さんから見てダサいと思われようが、もしそこに自分の幸せがあるのであれば何の問題もないし、他人がとやかく言うことではない。
つかさらに冷静に考えるなら、そもそも己はどうなんだって話にもなってくる。テメエはダサいだなんだと言えるほどオシャレなのか?スマートな生き方をしてるのか?

人生なんてもんは「自分に酔ったモン勝ち」なんですよ。何をやっても酔えず、他人さんを見て冷笑する。こんな人生楽しいか?幸せか?アタシはとてもそんなふうに思えない。むしろ「何て不幸な人生なんだ」とさえ思える。
つかさ、フィクサー気取りでさ、腕組んで、みんなが爆笑してるところで、ただ頷いたり舌打ちしたり、そんな人間にだけは死んでもなりたくないわ。
アタシが齢50代後半になって「ダサい」と思うのはそういう人間です。正直縫いぐるみ満載のクルマよりも百万倍もダサい。

つかさ、誰かに何を思われるにしても、ダサいヤツにダサいと思われるとかって、むしろそれはダサくないってことだから。ファッションに興味ゼロの人間から「ダサいファッション」と思われたら、これは喜ぶべきことだと。思いませんか?うまいもんはうまい。←しつこく使う



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