いやまさか、今日の段階で「WBC終わってしまいました~!」と書かなきゃいけないことになるとは、まったく予想もしてなかったのですがね。
試合途中、試合前の吉田正尚のナインに向けた「僕からひとつだけ」が放送されましたが、あの時点ではリードしてたけど、あれを見て「こりゃマズい」と思った。
たしかにね、アメリカでの試合なんだから「雰囲気が変わる」ってのは、それはそうなんですよ。でも同時に「雰囲気は変わるけど普通にやったら勝てる」みたいな、悪い意味での余裕があったように見えた。つまり「負けたら終わり」みたいなムードを微塵も感じなかったんです。
なんかねぇ。野球の試合って、もちろん緊張しすぎはダメなんだけど、適度な緊張感がないとそれはそれで上手くいかないような。つか吉田正尚のアレって大谷の「憧れるのはやめましょう」とは違うよな。
ま、それはさておき、WBCで採用されてるピッチクロックってルールね、正直実際に見るまではかなり懐疑的だったんですが、ちゃんと試合を見てるとそんなに悪くないような気がしてきまして。
アタシはね、野球嫌いの人がよく言う「ダラダラしすぎ」ってのにたいしては真逆の意見を持ってて、野球はダラダラしてるからこそいい、というか。
これは前にも書いたのですが、とくに中盤くらいまでは「観る側もダラダラ観るスポーツ」なんですよ。つかそんな集中して観るスポーツじゃない。そこが「試合中はずっと集中しっぱなし」なサッカーなんかとは決定的に異なる。
でも、だからこそ野球の特異性がある。変な話、球場に観戦に行ってもずっと真剣に試合を観てなくていいんですよ。トイレに行きたきゃ行けばいいし、腹が減りゃ弁当を買いに行ったらいい。タバコが吸いたきゃ喫煙所に、とくに何か用事がなくても「ちょっと退屈だな」と思ったらコンコースをウロチョロしててもぜんぜんいいんです。
そうしたラフな感じで観れるのが野球の良いところで、実際アタシもシーズン中の試合なんか、映像としては野球を映してるけど、試合の音声はミュートして、音楽とかYouTubeを流してる場合のが多いくらいで。
だからね、とにかくスピーディーに試合を進めるため<だけ>の(ま、実際はスポンサー対策だけど)ピッチクロックについては否定的だったのですが、ま、とくに中盤くらいまでサクサク進むのは、これはこれで悪くない、と。
というかアタシはね、基本的に野球というスポーツは「6回まで」と「7回以降」はちょっと別のスポーツだと思ってるところがあるんですよ。つまり6回終わりまではダラダラ、のんべんだらりタイムだと。たしかにそれは野球の良さではあるんだけど、ピッチクロックでちょいテンポアップしても野球の魅力が削がれないと思った。
でね、もうひとつの野球の魅力が「7回以降」だと思ってて、ここは基本的に集中して見たい。
7回以降であれば多少時間がかかってもいい。そうした<間>が確実に野球をスリリングなスポーツにしているからです。
そう考えるなら、6回まではピッチクロックあり、7回以降はピッチクロックなし、みたいな<理想>が見えてくる。これでも試合時間はかなり短縮されるはずだし、野球の醍醐味でもある終盤の駆け引きからくる<間>も保持されます。
って、何でそんなややこしいのが<理想>なんだって言われそうだけど、野球ってね、初見ではものすごくメリハリのないスポーツなんですよ。これにかんしてはサッカーよりも劣る。サッカーは「集中して観るスポーツ」なんだけど、試合を見てたら意外とメリハリがある。つか実際問題90分間ずっとしっぱなしなんて不可能なんでね、なんか競輪の序盤の駆け引きに似たメリハリがあるんですよ。
その点、野球はというと、メリハリは受け取り手が自発的にやらなきゃいけない。つか試合を見極めて、ここは真剣に見なくて大丈夫、とか、いやこのイニングはキーになってくるぞ、とか、ある程度の知識がないと「緊張と緩和」の切り替えのタイミングが難しいと思うんです。
でも「ルール上で切り替えがしやすい」ってのがあれば、さらに初心者が見やすくなる。
つかね、初心者が見やすいって、試合時間が短くなるだけじゃダメなんですよ。いくら試合時間が短くても「エンターテイメントとして」面白くなければ誰も野球にハマらない。
終盤になればなるほど緊張感が高くなる、それこそが<理想>で、そうは言っても安手のクイズ番組みたいに「最終回は得点が倍!」なんてことはしたくない。あくまでスポーツの範疇で、現行採用されてることをちょっとだけ拡大させてやる、みたいな方が絶対いい。
たとえば、これは以前も書いたけど、6回まではDHなし、んで終盤からはDHありにするとか、あくまで現行ルールからはみ出さない範囲で逆転が起こりやすくする。それこそもっと言うならタイブレークの「一死一塁二塁からスタート」ってのを7回以降で全部やってもいいかもしれない。
言わば、です。
6回まで=個人スポーツに近いもの
7回以降=完全なるチームスポーツ
ここまで徹底してやるなら、6回まではさらに縛りを強くしてもいいよ。バントは2回までとか、これはWBCでもあったけど牽制の回数も制限するとかね。
6回までは演出も控えめにする。選手登場曲もなし、応援団もヒッティングマーチの類いも演奏しない。とにかく、極力シンプルに。
んで、それを7回以降に爆発させる。こうなったら球場のムードが大幅に変わるので、初心者だって「あ、変わった!」とはっきり認識出来るはずです。
「変える」最大の理由は「どれだけ新規ファンを呼び込めるか」でなければならない。しかし「ストライクゾーンを広くして」とか「飛ばないボールを使って」とか「7イニング制に」とか、それは間違った方法というか、ただ「何でもいいから試合時間短縮する」でしかない。
しかも野球というスポーツ最大の欠点である「メリハリのなさ」は解消出来ないという、まァいや「筋の悪い改革」です。
やり方はあるよ。とくにメリハリについては。メリハリさえあれば侍ジャパンだって、まァもういいか。
