まァ何度も言うように、アタシは事件マニアでも何でもないんだけど、それでもいくつか気になる事件がないわけではない。

たとえば「日立ネイリスト変死事件」という未解決事件なんかはその範疇に入るのですが、この事件でもっとも疑われたのが新婚ホヤホヤだった被害者の夫です。
いやね、この男性にまったく不審な点がないかといったらあることはあるんですよ。ただしその大半はきわめて根拠の薄い、まァいや言い掛かりに近いもので、それを換算したら本当に不審と思われる事象はふたつみっつしかない。んでそのふたつみっつも考えようで納得することは可能なレベルです。

にもかかわらず、まるでこの男性が真犯人かのような噂が広がった。
何でこんなことになったか、たぶん件の男性の写真を見た多くの人が<直感>で、この男は怪しい、と思ったからではないか。
つまりです。人々は「見た目だけで」この男が犯人に違いないと決めつけた。そういう人たちは不審な情報は無条件で信じ込み、逆に物理的に犯行は不可能みたいな情報は黙殺する。そうして曖昧きわまる「不審情報」が尾ヒレをつけて広がったのです。

もう一度言います。この事件は未解決事件です。だからいまだ真犯人は捕まっていない。となったら件の男性も「限りなく白」であるけど「完全な白」かどうかはまだわかりません。
しかしそんなことを言ったら関係者全員、どころか近隣住民、はたまた全世界の人も件の男性同様「限りなく白」状態ってことになる。つまりこの男性を特別視する理由は何もないんです。

というかね、たしかに、この男性の見た目は、人々に「コイツ怪しくね?」と思わせる要素があるっちゃあるんですよ。
しかしいくら見た目が怪しくても、それと犯罪は関係ない。つか見た目怪しい人なんかいくらでもいる。アタシだって十分見た目は怪しい。
んでどれだけ見た目が怪しくても前科ゼロ犯の人なんて無数にいる。むしろそっちのが大多数ですし、じゃあ見た目がまったく怪しくない=全員前科ゼロ犯なのかって言うとそんなこともない。見た目善良そうなサイコパスなんかいくらでもいるし。

もう何度も書いてることですが、見た目と人間としての中身なんて、もう完璧に無関係です。変な話、タトゥーをしてようが顔中ピアスをしてようが、何もやってないヤツはやってない。
でも残念なことに、人は見た目で他人を判断する。コイツ性格悪そうだなぁとか、逆に見た目だけで優しそうな人とか。
そういうことは極力避けなきゃいけないんだけど、これね、リアルに接したことがない、つまり上記事件の報道なんかでは報道の仕方次第でいくらでも「決めつけ」を要求するようなやり方をしてくるからね。

さらに芸能人だってそうで、芸能人なんて所詮向こう側の人であり、本当の性格なんて同業者でもない限りわかるわけがない。
でもこれまた、人々は<見た目>や芸能人としてのキャラでその芸能人の性格を決めつける。これも前に書きましたが石橋貴明などはまさにその典型でしょう。
アタシの中で石橋貴明は「どちらかと言うと暗いマジメな人」という印象だけど、それはとんねるずの番組を見たり石橋貴明のインタビューをいくつも読んだからそう思うのであって、たいして知らない芸能人ならアタシも人の子というか、やっぱり<見た目>で判断してしまったりする。

さて、1990年代末、TBS系の深夜枠で「ワンダフル」という番組が放送されていました。
ワンギャルなる女性が大量にスタジオにいる、という如何にもな「オールナイトフジ」のバリエーションで、若者文化にスポットを当てるというか紹介していく、という、本当によくある若者向けバラエティ番組だった。
しかし思ったより番組のテイストは悪辣なものではなく、妙にほのぼのとしたファミリー感があって、この手の番組にしては良く言えば不快感のない、悪く言えばフックのない番組でした。

この番組で司会をつとめていたのは東幹久と原千晶。ふたりとも上手く番組にハマっており、とくに原千晶の健闘が光っていた。原千晶の存在が「オミズ的ムード」を大幅に和らげファミリーっぽさを出していたんです。
ところが突然、原千晶は司会からひな壇に降格され、代わりに別の女性グラビアアイドルが司会に抜擢された。
今回あえてこの<二代目>について名前は書きません。ま、調べりゃすぐにわかりますが。

何故名前を書かないか、それはこの人のイメージがこの件で猛烈に悪化したからです。
たぶん原千晶が司会を降ろされたのは何らかの事情があったからだろうし、<二代目>が抜擢されたのもそれ相当の事情があったはずです。にもかかわらず、印象としては<二代目>が強引な手段で原千晶を降格させて自分が司会の座についた、みたいになった。
何でそんなイメージになったか、それは<二代目>の人の見た目なんですよ。

もしね、この<二代目>の人が最初から司会なら別に何とも思わなかったと思う。でも前任の原千晶は見た目からして「マジメな頑張り屋さん」タイプで、ってもちろん実際は知りませんよ。あくまで見た目の話です。とにかく原千晶はそういうふうに見える。
でも<二代目>はもう見るからに性格がキツそうというか、他人のポジションを奪って平気そうなタイプに、見える。見えるだけだよ。本当に見た目だけ。

というかね、これが三文テレビドラマなら配役としてピッタリすぎるんですよ。
もっとドラマ風に仕立てるなら、東幹久と原千晶が交際していて、そろそろ婚約という段階になってこの<二代目>が割り込み、東幹久を奪った。そういうドラマだったとしたら配役が完璧なんです。つか原千晶が悲劇のヒロインがハマりすぎる。同時に<二代目>も、裏で何かやってる「泥棒猫」役がハマりすぎる。さらに降板ではなく降格ってのも「元カノを結婚式に無理矢理参列させた」みたいなコワさもあるっつーか。

もちろんこれはドラマじゃないし、たぶんそういうことではないとは思うんだけど、だったら余計にですよ。<二代目>の人が不憫すぎる。
ただでさえ「そういうふうに思われやすい」<見た目>なのに、こういう役回りをさせたことでこの人のイメージは相当悪化したと思う。
原千晶の降格はしょうがないことにしろ、んで何らかの事情で<二代目>を抜擢させることになったにせよ、これは間に誰か別の人を挟むべきだったんじゃないか。つまり、原千晶→誰か→<二代目>なら、<二代目>の印象も変わったような気がするっつーか。

もちろん<二代目>の人がぜんぜん違う、それこそ原千晶に近しい「マジメな頑張り屋さん」に見えるような人だったら、やっぱり印象は変わってた。
ということはです。結局は<二代目>の人の見た目なんですよ。もうそれしかない。だからもう、とくにこうしたユルめのバラエティ番組の司会って、司会者としての能力の前にまず<見た目>なんだなって。そこを一番に考えなきゃ成立していかないんだなって。

ま、逆に言えば原千晶は後々を考えたらトクしたのかもしれないけどね。つかアタシも、本当に何となくレベルだけど原千晶は好意的に見てるしさ。見た目の印象の良さだけで。つまり見た目なんですよ。いやもうひとりの司会者が東幹久なんだからこう書くべきか。

芸能人は見た目が命



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