♪ 浮世忘れェ 和尚さんとふゥたァりィ
  ハァタで見るほどラァクじゃあなァい~

1940年版「孫悟空」の、わりと始まってすぐに歌われる歌ですが、「ハタで=観客」なわけで、一種のメタ歌詞になってるのが面白い。
当たり前だけど、この「孫悟空(つまりハナシとしては「西遊記」)」もだし、冒険譚なんてもんは「ただの移動」に重きをおかない。どれだけ歩き続けても、んで散々歩いた後にヘトヘトになったという描写があったとしても、とくに会話もなくただ歩いてるだけのシーンに時間を割かない。これはフィクションの鉄則です。つかそんなシーンつまらないだけだから。

でもね、劇中で描かないだけで実際は歩いてる。朝早くから日が暮れるまで歩くなんてもう、とんでもないことで、普通は1時間も歩きづめならくたびれて当たり前です。
疲れてくると身体の動きが悪くなるのはもちろん思考力も落ちてくる。なんでもいいから腰をかけたい、今ここで横になれるんだったらなんだってする、そういう心境になるもんだと。つか逆にそんな心境にならないキャラなんて人外すぎて感情移入出来ないと思うんですがね。

んで、エントリタイトル通りゲームの話をします。
とくにRPGなんかそうだけど、ゲーム内でキャラクターは移動するもんです。んで長距離移動をしなきゃならなくなった時に「しんどい」となるかって話なんですよ。
いやもちろんプレーヤーが「かったるい」とか「面倒」とか、そういうのはあるんですよ。だからこそルーラみたいな魔法が用意されてるんだけど、ゲーム内のキャラクターは別に疲れてはいない。疲れの管理=移動でHPが減るゲームもないとは言わないけど、そういうゲームは概して評判が悪い。

アタシはね、別にゲーム内のキャラクターが疲れる、HPが減るとか、そういうことはしなくていいと思うんですよ。でもです。ここからが肝心なのですが、やっぱり疲れがないってのはどうなのよ?と。
つまりアタシが言いたいのは、ゲーム内のキャラクターに疲れさせるのではなく、プレイヤー自身を疲れなきゃダメだろ。つか役割を演じる=RPGにならないだろ、と。
主人公はあくまで自分の分身なわけでしょ?となったら、技能的フィジカル的なことは「ゲームだから出来る」で構わないんだけど、少なくともメンタルや疲労はプレイヤーと主人公が同化してなきゃ「旅をしてる感覚」まで行かないと思うんです。

ま、それは本当はどうでもいい。
これは以前書いたことではあるんですが、もしね、目の前に巨大なドラゴンが現れて、ドラゴンじゃなくてもいいよ。ゴブリンとかでもいい。数匹のゴブリンが目の前に現れて、ヤらなきゃヤられる、なんて状況に自分がなったとしたら、もう100%足がすくむ。いくら<力>としてはこちらが上でも凶悪な人外生物が目の前にいて、それで平気なんてあり得ないんです。

プレイヤーを怖がらせよう、というゲームもないことはない。しかしそれはホラーゲームに分類される。でもさ、たしかにゾンビも怖いかもしれないけど、んなもん巨大なドラゴンのが圧倒的に怖いよ。ショ◯ベンをチビってもおかしくないレベルで怖いはずなんですよ。
ゲームというか「なろう」みたいにスカウターみたいなんがあってね、これは余裕で勝てる数値だとわかっていても、実際に自分が戦うとなったら、まず異型ぶりにビビる、デカさにビビる、口から吐く炎にビビる。ビビりっぱなしになるはずです。

いやだからRPGはダメなんだ、というつもりは毛頭ない。でも「みんな当たり前のよう鼻糞ホジりながら「ああ雑魚雑魚」言いながら半笑いでプレイしてるけど、本当はめちゃくちゃ怖いんだからな!」みたいなところに着目したゲームが何でないんだろと。もしかしたらあるのかもしれないけど、何でそんな少ないんだ、と。
もうせめて、本当にせめて、ですよ。VRゲームは<それ>がなきゃダメなんじゃないの?「足がすくむ」レベルまで行ってなきゃ、そりゃあ別に普通のモニターでいいわってなるわ。

正直アタシはあんまりわからないんだけど、たとえば「ゴジラ」なんか、ゴジラ自体が怖くないとダメって言われるじゃないですか。だからどれだけゴジラが怖く見えるかに製作陣は心血を注ぐ。
それは向こうを向いてたはずのゴジラが首を回してこちらを見たり、ヨダレを垂らしたり、そういう恐怖感をどれだけ観客に植え付けられるか、そこが勝負になってたりするわけです。
でも、これだけ3DゲームがっつーかCGが当たり前になった昨今、モンスターの恐怖描写があまりにもおざなりだと。

アタシなんか、それがないんだったら別にグラフィックなんかファミコンで十分なんですよ。少なくとも<体験>としてはそこまで変わるとは思えない。
スライムだって冷静に考えたら相当気持ち悪いですよ。ドラクエのプルンとしたスライムならまだしも、本来のドロっとしたスライムなら、もう動いてるのを見るだけでも気持ち悪くなるはずで、しかも毒とか持ってるんでしょ。もしそんなのが顔にへばりついてきたら、と考えるだけでゾッとする。
これ、ファミコンでは絶対無理だけど、VRゲームなら出来るんですよ。なのにほとんど注力されてないのは何でなんだろ。

ゲームの進化ってそういうことだと思うんだけどね。グラフィックが綺麗になったとか、それはただ技術の進化であってゲームの進化じゃないもん。



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