3度目の緊急事態宣言が発令されたようで、しかし、通勤状況は普段と特段変わりないという。当たり前だけど。
こういうニュースが出るとすぐに「気の緩み」とか「もはや緊急事態宣言と言われても気にしないという莫迦が多いのだろう」というような話にもっていきたがる人がいるけど、まったく、何様だろう、と思う。
誰がこのパンデミックのさなかに好き好んで外出したがるヤツがいるか。みんな仕方なく、生きていくために外出しているんですよ。
飲み会とかもそうです。我慢しろ、というけど、飲みに行くことでストレスを発散していた人はどうなるのか。アタシは積極的に飲まない方だけど、だからといって飲みに行く人を莫迦にする気にはとてもならない。
というか我慢の意味を履き違えている。
おそらく声高に我慢なんて言う人は、余裕があるんでしょうね。
そりゃ金銭的に、はたまた自分の趣味趣向的にパンデミック下でも何の影響も受けない、なんて立場ならそんなことが言えるのかもしれない。
でも、大半の人には毎月の「支払い」が発生する。どんな状況であろうが「こんな状況だから今月は支払いなんてしなくていいよ」なんて誰も言ってくれない。取り立てる側にも支払いがあるのだから当たり前です。
滞りなく数々の支払いを済ませるには毎月毎月の収入がいる。収入を得るためには仕事をこなさなければならない。一部の、テレワークが可能な職種を除いて「現地」に行かなければ仕事として成立しない。
だからみな、危険をおかしてでも、通勤する。もちろん「本当はこんなことをしていい時期じゃない」というのがわかっているから平時よりもはるかにストレスが溜まる。それを発散するにも大人数で会ったり飲みに行ったり、どころか外食さえも制限されている。
これで「おだやかな気持ち」で日常をおくれ、という方がどうかしてる。
昨年(現注・2020年)くらいから「おうち時間」なんて言葉が流行ったけど、まったり、何の不安もなく、のんびりとおうち時間を過ごせるブルジョワがどれほどいると言うのか。
外出を制限させたいなら、もう、全額、国が補填するしかないんです。しかしそんなことをすればあっという間に国の財政が破綻してしまう。だから出来ない。
出来ないなら出来ないで構わない。ならば国も自粛の要請なんてしちゃいけない。
「マスクをしろ!鼻マスクをやめろ!」
「消毒を徹底しろ!」
これくらいしか国民に言っちゃいけないと思うし、ここまで来たら緊急事態宣言もなにもないと思う。
そう言えばアタシが幼少の頃、ものすごく深刻ぶった感じで「光化学スモッグ警報および注意報」なんてのが発令されていた。
今日は光化学スモッグ警報が出ているから幼稚園もしくは小学校は休園、休校です、なんて感じだった。
それが、しばらくすると、あの深刻さはどこへやら。天気予報の時にお天気お姉さんがごく軽い感じで
「本日は光化学スモッグ警報が発令されてまーす!」
てな感じになってしまった。もちろん、もう誰も、光化学スモッグの話題なんかしなくなっていた。
別にワクチンが開発されたという話でもない。そうなったらそうなった時のこと、と大半の人が思うようになったから「軽く」なったのです。
もちろん光化学スモッグとコロナを一緒にしていいわけがない。しかし、だからといって国民総出で「重く」考えてるのは問題です。
重く考える人が悪いと言いたいんじゃない。でも、軽く考える人がいても、つまり両方いて良いような気がする。
誰がどう見てもこのパンデミックは深刻なことです。しかし深刻なのとむやみに深刻ぶるのとは話が違う。むやみに深刻ぶった人が軽く考える人を叩くのも違う。
いや軽く考えてる人なんて書いたけど、本当は一番我慢しているのはこのパンデミック下で通勤を強いられている人、でもハタからは「軽く考えてる」と見られがちな人なんですよ。
正直に言えば、おうちでまったり、なんて思ってる人が一番我慢してない余裕のある人たちなんです。
わかったよ。アンタたちが余裕があるのは。でも本当の意味で我慢してる人をクサすのは止めてくれるかな。

