先日エントリした「2026年7月のヨノナカトアタシ」ではオミットしたのですが、後年のために書いておけば2026年7月=帝銀事件、だったぞ、と。

いやもちろん、世間を震撼させた、帝国銀行椎名町支店を舞台に無差別大量毒殺事件が起こったのは1948年ですよ。つか「帝国銀行」なんてとっくの昔に名前がなくなってるし。
なのに何でって、それはアタシが出演している「だてレビsideB」のミステリーアワーという番組で5回にわたり帝銀事件を取り上げたからです。
何しろ昭和を代表する大事件なので、文献の類いもハンパな量ではなく、アタシは6月の半ばには調査を始めていました。

そしてそれから約1ヶ月、とにかく帝銀事件に振り回された。しかも久しぶりに復活させた(復活させないと収まり切らなかっただけだけど)「ビフォアミステリーアワー」という枠で3回にわたって番組の資料作りと<仕切り>をやったので、脳内を完全に1948年にタイムスリップさせるよりしょうがなかったのです。

ってもこれは番組の裏話を書こうって趣旨じゃない。とにかく調査するだけしたものの、番組で紹介しきれなかった事象の「ほんの一部だけ」を書き連ねておこうと。
とにかく言いたいのは、あくまで「ほんの一部だけ」ってことです。んなもん、その気になりゃ無限にあるんだから。
であってもかなり長くなると思う。つかScribbleでやる分量ではないんだけど、本サイト用にするほどでもないのでね。


◇ 「新しき日のわれら」と「春はほのぼの」



Twitterで予告までしておきながら結局オミットしたのですが、何でこの2曲が帝銀事件と関係あるのかというとですね。
帝銀事件が起こった1948年1月は社会党政権だった。ま、1月半ば頃から崩れ始めて帝銀事件の頃には崩壊していた。んで芦田内閣が誕生して社会党政権は終わりを告げるわけです。(余談だけど芦田内閣も昭和電工疑獄事件で崩壊する)
そしてもうひとつ、この年の1月より国家地方警察というものが出来た。俗に言う「国警」です。
正直国警の説明はしんどすぎるのでWikipediaでも読んでもらいたいのですが、とにかく帝銀事件が起こったのは、わずか1ヶ月ほどしかなかった「社会党政権下、かつ国警時代」なのです。

「新しき日のわれら」と「春はほのぼの」は国警のテーマソングというか、まァいわば「国警の歌」として作られたもので、実にこの時代らしいサウンドで、これは面白いと思った。
ただアタシが担当した1948年の時代背景にかんしては、キーフレームさんから「国警は本編でやるかもしれないので、時代背景はもっと軽い感じでやって欲しい」という要望があったので、国警の話を止める→歌の紹介も止める、という形になった。
さすがに国警の話抜きで歌の話は出来ないからね。ましてや音源を流せるわけじゃないんだから。


◇ 「救う会」周りの話
正直、あまりにも文献が多すぎて、しかもその文献の大半は「平沢シロ説」ということもあって、調査の段階からいわゆる「救う会」絡みの文献はオミットしようと決めていた。そこを重視しすぎるとあまりにもシロに寄っちゃうし。
そんな中、本編ではほぼ取り上げなかったものの唯一の例外として用意した資料が遠藤誠著「帝銀事件裁判の謎 GHQ秘密公文書は語る」でした。
これはその名の通り、GHQ秘密公文書に触れているってのもあったし、遠藤誠は平沢の担当弁護士ではあったけど、「救う会」の人ではないので、まあいいかと。

本編では非常に言いづらかったので言わなかったのですが、この本、というかぶっちゃけこの遠藤誠というのはかなり香ばしい人で、この書籍でも後半は「遠藤誠の交遊録」と題して、交友のあった人を紹介していってるのですが、もうこの人選が相当香ばしい。つか正直「あ・・・」と思った。
これなぁ。いや誰が誰と交友してようが別に構わないけど、主任弁護士がこういう人って、絶対変な色が付くというか色眼鏡で見ちゃうよ。つかこの本を読んだら逆に「平沢シロ」と言いづらくなるんじゃないの?それでいいの?主任弁護士なのに。


◇ バンガロー
チャット欄に書き込んでくれた人がいたので一瞬だけ触れましたが、そもそも歯医者自体が(存在含めて)いろいろと怪しいのに、その関連人物であるバンガロー経営者(経営者だったか雇われだったかはよくわからん)はとなったら、話がどんどん妄想に逸れていく。
この男は安田銀行板橋支店に小切手を受け取りにきた人物とされ(これは何の証拠もない)、不自然な形で死んだので、こう言っちゃナンだけどとにかく「乗っけやすい」人物なので尾鰭がつきまくったんだろうな、とは思う。


◇ 平沢の一族とその経歴
これも直接事件とは関係ないということで大半の話はオミットになりましたが、実は平沢一族とその妻の家系図や、平沢の息子娘たちがどういう生活をしていたのか、またコルサコフ症候群について平沢のかなり具体的な症状に至るまで、相当わかっています。
ま、文献名は書きませんが(間違っても怪しい書籍の類いではない)、これを読めば「平沢の話の<盛り方>」がものすごくよくわかる。
んでこの文献にもあるのですが、平沢の盛り方はけして人を欺いてやろうとかそういう類いのものではなく、話を面白くしようとして本人自身、どこからどこまで本当のことなのかわからなくなってしまう、という類いの盛り方なんです。

本編(というかビフォアだったかな)で触れた中で言えば「高橋是清と犬養毅を殺したのは自分だ」とかもそうだし、これはまったく触れてないけど、強盗を捕まえた話や新種の船底塗料を発明したという話など、たしかに誇大妄想の気配はあるんだけど、そこまでの邪気があったとは思えないんです。
ただし自分でも何を言ってるか、過去にどんなことを言ったのかわからなくなることも多く、その場の出来心でつい悪事に手を染めるタイプではあったと思う。あまりにもそうはっきり言ってしまうのもアレだと思ったので配信では「アーティストは基本<場当たり的>」という言葉で濁したのですが。


本当はもっともっとあるんだけど、あまりにも長くなるのもね。ってことで終わります。