さて、いくら月イチとは言え無謀にもド素人に2時間の枠を渡したのは「FREE WAVE」(後述しますが「天神FM」とも呼ばれていた)というコミュニティFM局です。

このFREE WAVE、とにかく今現在は存在しない。2011年に停波しています。だからま、いろいろ書いちゃっていいんじゃないかと。
Wikipediaに書いてある通り、西鉄福岡駅のほど近くにあるソラリアプラザの一階にガラス張りのブースがあり、たしかほとんどの番組をこのブースから中継していたはずです。(後述する資料によるとブースからの中継は10数時間だったらしい)

なんですが、実はWikipediaの表記はちょっと気になるところがあって、これはPage1に書いた動画を見ることで氷解したんだけど、この謎については少しペンディングしておきます。
このブース、何しろガラス張りなのでソラリアプラザを訪れた人は収録風景を普通に見ることが出来る。っても無名も無名のアタシたちを誰も積極的に見ようなんてしないけど、それでも見ることが可能か不可能かで言えば可能なわけで、ここで収録する、と聞いた時はちょっと震えた。
つか本番も、何か見られてる、みたいな感覚がずっとあって、異様に緊張してほとんど喋れなかった。仮に口数は少なくても有効なことがポソっと言えたら良かったんだけど、それも出来なかった。
何よりです。アタシはこの、10月初旬に行われた収録でとんでもないミスをやらかしてる。
番組の終盤になってユニットの持ち歌を歌うコーナーがあった。っても狭いブース内で<生>ってなったら歌いにくいったらないんだけど、そこでね、途中、歌詞を飛ばしてしまったのです。
途中まで良い感じで歌えていたのに、突然頭が真っ白になって、あ、あ、と思ってたら声が出なくなった。幸い他のメンバーがフォローしてくれたので事なきを得たんだけど、ああもう、何てことをやっちまったんだ、と。
言ってもね、この頃はそれなりに「人前で歌う」ことにかんしては慣れてはきてたんですよ。実際、収録直前まで、DJブースからとはいえ何度かクラブで歌う機会があったから。
でも「ラジオの生放送である」という緊張と「ガラス張りで誰かに見られてるかもしれない」という緊張がダブルで襲ってきて、歌詞を飛ばすという失態をやらかしてしまった。
ああもう嫌だ
心の中ではそう思いながらも、んで裏ではかなりドタバタだったものの、ひとつの番組としてはまずまず成功だったようで、収録後に局の偉いさんから「非常に良かった。けどちょっと内容が濃すぎる。むしろもっと全体を薄くしてもいいんじゃないかと思ったくらい」と言ってもらえた。
ま、つまり、「非常に良かった」番組になったのは他のメンバーが頑張ったからで、アタシは何もしていない。むしろ当初の予想通り、ただ足を引っ張るだけの存在でしかなかった。つか喋れない、(下手なのはともかく歌詞を飛ばして)歌えない、では、どう客観的に見てもアタシはお荷物だな、と。
やっぱ、このユニットに参加したのは失敗だった・・・
そんなアタシの気持ちとは関係なく、11月の収録日がやってきた。
ここでリーダーが「初見さんが見分けがつきづらいから、全員色違いのバンダナをしよう」ということになって、アタシは残り物のグレーのバンダナを着用することになった。
こんなことをして変に目立つのは嫌だな
つか本当はトークも歌も参加したくないのに
ネガティブ全開の気持ちのまま収録に挑んだんですが、さすがに一回目の収録よりは喋れたし、歌詞も飛ばさず無事歌い終えることが出来た。
まあまあ、これならいいだろ。何の戦力にもなってないけど、少なくとも極端に足を引っ張ることはなかったんだから、これでヨシ!と。
「あの、実は、ブースを観てた人にアンケートをとったんですよ」
収録後、そう言いながら局のスタッフがアンケート用紙の束をアタシたちの前に差し出した。
正直言って一回目の時よりも見られてる感覚がなくて、実際ブースの前に誰かいる気配もなかったんだけど、結構な束なのにまず驚いた。
しかもです。そのアンケートには驚愕することが書かれていた。
「グレーのバンダナの人、カッコいい!」
「グレーのバンダナの人タイプです!!」
ま、レゲエなんて今もだけど、そこまでメジャーなジャンルじゃないし、<音>への言及がないのはわかる。
にしても<顔>とかそういう話かよ。そもそもウチのユニットでカッコいいヤツなんていないぞ。つかグレーのバンダナって誰だよ。
・・・アタシじゃねーか!!!
実際アンケートの束の半分くらいは「グレーのバンダナの人」への言及で、しかもほぼ見た目へのポジティブな話だった。
うん、これはおかしい。何かが間違ってる。アタシがカッコいい?冗談言っちゃいけねえや。いやこれが多少なりとも自分でイケメンって自覚があるのなら自慢ってことになるのかもしれないけど、こんなのアタシにとってただの嫌がらせ、もっと言うなら悪夢です。
これ、たぶんデ◯ツーの陰謀ですよ。いやコミュニティFMにデン◯ーがかかわってるわけないし、アタシをアゲたところで何のメリットもないけど。
ま、陰謀云々はともかく、これがユニット崩壊の序章になるんだけど、その時はわからない。しかしこれでアタシの立場がはっきりした。つかリーダーにこう言われた。
「よし、これから、やぶにらさん(もちろん当時はこの名前ではない)はビジュアル担当で」
いやいやいや、さすがに、それだけは止めてくれ。つかアタシがビジュアル担当ってどれだけルックレベルの低いユニットなんだよ。もうそんなユニット売れないこと確定だわ。
つかそもそも何で「福岡でラジオ番組をやれることになったか」と言うと、リーダーが福岡出身ってのが大きかった。それでいろんなコネが取れたらしい。
「福岡出身の僕から言えば、アナタは福岡でウケる顔をしてる。だからこっちではモテると思いますよ」
お、おう、そうか。いやビジュアル担当かはともかく、モテるってのは悪い話じゃない。いやその後に福岡に在住することになって別段モテた記憶もないんだけど、とにかく「それならそういうことにしておこう」とは思った。
つかね、このリーダーの話もまったくの与太ではなかったってのは後で判明するのですが、それはおいおい書くとして、ここからは「1996年」の「福岡」についてちゃんと書いていきたい。
さて、2025年の秋だったか、になって福岡在住の次郎丸さんからちょっと面白いLINEが来た。
内容はというと「シティ情報ふくおか」が相当古い号までバックナンバーをサイトで公開している、というもので、これはたしかに面白い。つかアタシもかなり読んだ。
その時「ああ、こういう切り口で福岡について書くのもアリだな」とは思ったけど、なんかイマイチ主題みたいなのが見えなくてペンディングしてたんです。
そして年が明けて2026年。YouTubeのオススメに面白そうな動画があった。
Page1より散々引っ張った例の動画ですが、これにいろいろと<答え>があったんです。
もう一回書いておきます。アタシは1996年に「ラジオ番組の収録という名目で」初めて福岡に行くことになった。んで流転があった末に翌1997年の秋から福岡に在住することになるのですが、ラジオ番組収録のために福岡に行った時に訪れた場所の所在位置が、在住して以降の時点で早くもわからなくなっていたんです。
さすがにソラリアプラザはわかる。つか今現在も存在している。FREE WAVEってコミュニティFMがなくなったのでラジオブースは撤去されてるけど、今でもどのあたりにラジオブースがあったかは憶えています。
他、1996年の来福の時に行ったスポットで場所が判明しているのは高宮のっつーか赤十字病院の近くの一蘭くらい。後は本当にわからなかった。
たとえば「キミはスーパーで服を買ったことがあるか?」で書いたスーパーの場所もわからないし、「憂歌団に花束を」での「元・憂歌団のマネージャー」の自宅も福岡市内のどこかのはずなんだけど、ザックリした地名もわからない。
しかしこれらは「天神」とか「博多」みたいなわかりやすい場所ではなく「福岡市内のどこか」なんだから、土地勘のなかった当時では場所を憶えるのが難しかったのは理解出来るんです。
しかし、100%「天神」なのは確定である、一番最初に番組の構成の打ち合わせをしたFREE WAVEのスタッフルームの場所がわからない、というのはあり得ない。どのみちソラリアプラザの近くだったのは間違いないんだけど、記憶に該当する「やたら古い外観だった」建物を福岡に移住して以降、見かけなかったのです。
で、先の動画です。
正解は岩田屋本店の向かい、動画で「にしてつカリテン」と呼ばれていたビルの一室にFREE WAVEのスタッフルームがあった、という記憶が一瞬のうちに脳裏に甦った。というかこここそがNHK福岡放送会館跡であり、たぶん放送関係の機材が残っていたのでここを仮本社にしていたのでしょう。

え?だったら現在の岩田屋本店、アタシが福岡に在住していた頃は「IWATAYA Z-SIDE」てな名称だった商業施設の前は何があったんだ?

ここらで、アタシの調査欲がムクムクと湧き上がった。そうか、ならば1996年の福岡、というよりは天神についてちゃんと調べてみようと。幸い「シティ情報ふくおか」のバックナンバーも読めるようだし、他わからないことは動画の調査のついでに国会図書館で調べてみりゃいいじゃん、と。
てな感じでPage3に続く。
